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映画『エメラルド・カウボーイ』 
             …「アサ芸エンタメ!」04年?月号掲載



『エメラルド・カウボーイ』

 本宮ひろ志がおとなしく著作をひっこめてしまう今、本当の男はどこにいるのかと思ったら、コロンビアにいたのである。
 早田英志。マフィアと山賊とゲリラがつるんだり殺し合ったりの彼の国で、エメラルドの商売をでっかくあて、業界の大物にのしあがった。そして、 そんなオレ人生をオレマネーとオレ監督オレ脚本オレ主演で 映画化。 ニューヨーク・タイムズから「史上最もエゴの強い 映画」という賛辞をたまわったこの『エメラルド・カウボーイ』、服役中の大神源太に見せたら悶死するかもしれない。「これ、オレがやりたかったのにぃ」って。    
 エメラルド王ハヤタの人生を描く、超大型再現ドラマである。だから当然、ご当地ロケ。でもそのご当地は、世界屈指の危険地域だ。若き日のハヤタ役にアメリカから呼んだ日系人俳優も監督も、びびって撤退してしまう。ならばオレが撮るしかない、と自ら監督し、若き日のオレを似ても似つかぬコロンビア人に演じさせた。そんなの、無理がある。映画のつくりも何かと荒っぽい。
 しかし、細かいことはどうでもいいのだ。男なら気にすんな。この映画の前に、すべての理屈は無用。
 全編これ、男の夢だ。冒険に憧れて単身コロンビアへやってきたハヤタは、 美女に見込まれる。そして彼女から、エメラルドの商売のハウツーとサルサの踊り方を手ほどきされる。梶芽衣子のラテンバージョンみたいなこの美女、なんとハヤタの実娘が演じている!
 そして、エメラルドをめぐり万単位の死体の山をつくった抗争や、コカイン・マフィアの誘惑、日常茶飯事の誘拐など命の危険の数々を、得意の空手と度胸できりぬけ、鉱山や輸出会社の経営者におさまるまでが前編。後編では、次々と危機をはね返すハヤタを、本人が演じてますますすごい。有事とあらば、さっそうと銃を取り出し、先頭に立ってガンファイト。武装ゲリラをばったばったとなぎ倒し、家族と社員を守る。かっちょよすぎです。
 苦労話や人生訓をねちねち語らず、オレの冒険譚をアクション満載でぶちあげる。しかも、本物の銃(コロンビアではモデルガンより本物の方がたやすく手に入るらしい)を振り回して大活躍する自分を、スクリーンいっぱいに披露。これぞまさに、男の夢でありましょう。
 埼玉で生まれた小柄な普通の日本人がこんなエキサイティングな人生をものにできるなんて。男ならこの映画を見るべきだ 。そして、うらやましさに泣け。
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by hiromi_machiyama | 2006-08-16 20:33 | 雑誌原稿アーカイヴ
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