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映画『ユナイテッド93』
これまたちょっと前ですが、『ユナイテッド93』を観ました。

よくできたサスペンス&パニック映画、という評判は聞いてました。

となると、そのテの映画の定石をどこまで押さえたか、
どこまで我慢できたか、が気になる。
「多くの遺族に取材した」ことなどでアピールする、
事実に対する真摯な姿勢と、
パニック映画の定石を押さえて観客をどきどきさせること。
その折り合いをどうつけて、「よくできた」仕上がりになっているのか。

観る前に私が用意した目安の一つが、「憎まれキャラ」の扱い、でした。
そいつのつまんない失態や身勝手が、
被害を大きくしたり、負荷を増やしたり。
そして、ヒーローたちの勇気や善意を引き立てる。
パニック映画に欠かせないのが、そんな「憎まれキャラ」。

さて、「ユナイテッド93」はどう扱うのか。
遺族に取材、というフレコミの乗客の中に「憎まれキャラ」はつくりづらいだろうに。
子供時代にパニック映画全盛期を体験した観客としては、
その扱いがすごく気になる。

で、観てみた。




案の定、「憎まれキャラ」は、登場しました。

まず、乗客にひとり。
犯人に対抗しようとする他の乗客たちに、
「金で解決できるはず」みたいなことを言ったり、襲撃を止めようとしたり。

全体として非常に抑制がきいているだけに、
「我慢できずに定石をなぞっちゃったんだなあ」と思ったんですが。

あとで考えると、その金髪男、英語が母国語っぽくなかった。
2カットぐらいしかでてこないからよくわかんないけど、
非英語圏のヨーロッパ人、という雰囲気だったのが、
ちょいとうさんくさい。

しかも、より迷惑な「憎まれキャラ」は米軍に設定されてました。
そしてそれをすごく強調するのだ。陳腐になりそうなほどに。

素直に観れば、勇気ある市民と無能な軍&国、という構図。
でもそれは、
「軍は何もできなかった、
つまりはユナイテッド93を撃ち落としていない」
と思わせようとしている、ともとれる。
私は撃墜説を圧倒的に支持してきたわけではないんですが。

観ているときは、
「憎まれキャラ」の登場と、案の定の負の活躍に思わず笑った。
観終ったときは、評判通りのよくできたパニック映画だったから、
子供の時と同じように、
「こういう非常時に自分には何が出来るだろうか」と神妙な気持になった。このへんはもう、いたって素直な私。
映画にまんまとハメられるのは大好き。
でも、観終ってしばらくたった今は、
うさんくさい要素ばかりが気になっています。
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by hiromi_machiyama | 2006-08-27 19:40 | 日記
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放送作家・町山広美の日記
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